スマイリング・ビューティー 第23号 2009年3月発行
院長コラム
陽射しが春めいてまいりました。花の便りが聞こえるこのごろですが、いかがお過ごしでしょうか。
梅が散って、春になる前にいつもは一度大雪が降りますが、暖冬の今年はどうなりますかね。
除雪するのはめんどうなので、雪が降らないほうがいいのですが、このまま雪が降らないのもさみしい気がします。
今回は、前回の部分入れ歯に続いて、総入れ歯についてお話します。
専門的な話になりますが、お付き合い下さい。
総義歯とは、すべての歯を失ってしまった人の治療です。
本来、上顎の歯、下顎の歯は14本ずつあります(親知らずを除く)。
上下すべての歯を無くしてしまった場合、総入れ歯での治療となります。
上顎の歯だけをなくした患者さんの場合は、上のみ総入れ歯です。上が総入れ歯で、下はすべての歯がそろっている、そういった患者さんも稀にはいらっしゃいます。
総入れ歯は、歯がすべて無くなってしまっているので、入れ歯の支えがありません。部分入れ歯に比べますと安定しにくくなります。そのため、頬や、下の顎の動き、舌との動き、石膏の模型でのお口の再現など調和が必要です。これを怠ると安定して使えないのです。
入れ歯の製作過程についてお話していきます。
- まず、歯形をとります。私の医院では、より精密な歯形を作るために、2回に分けて歯形をとります。
- そして歯形から、石膏の模型を作製し、患者さんのお口を、模型の上に再現します。
- 次は、噛みあわせを見ます。実は、総義歯の場合、これが一番大切なポイントになります。かみ合わせの中心がしっかり取れないと、噛めない入れ歯になってしまうからです。
- かみあわせを元にして、患者さんの上下の歯形を「咬合機」という器具に装着します。技工士さんがこの状態を参考にして、入れ歯の製作を始めていきます。
- 入れ歯用の人工の歯を選びます。
- 一番目立つ前歯を並べていきます。前歯の形態だけで、20種類以上あります。さらに歯の色と大きさは、また別に選択できるので、全部の組み合わせになると数百にもなります。
その中より、一番他の歯やあなたの顔にあったものを選んでいきます。どのようなものがあるかは参照サイトでご覧下さい。
参照サイト ㈱GC ㈱松風
もっと・ちょっと・きっと 役に立つ歯のおはなし 虫歯予防最前線 新酵素と機能性ガム
虫歯のない歯でもりもり食べよう
虫歯との闘いははるか昔から人を悩ませていました。かのエリザベス一世も生涯歯痛で苦しんだのは有名な話です。
虫歯については、院長のコラムで何回もお話があったように、原因菌であるミュータンス菌をなくすには、歯みがきをするのが一番と思われてきました。しかし、ただ歯磨きをしていても、なかなかすべてのミュータンス菌を除去するのは難しいのが現状です。また、抗菌剤や抗生物質を使用すると、口の中の善玉菌さえも除去してしまうので、長期的に使用することは控えたほうがいい。
そんな中、画期的な発明が発表されました。広島大学大学院 菅井基行教授のもとでの研究で従来の歯科衛生方法とはまったく違う新たな酵素「Aml」を使うものです。
そもそもの虫歯の原因菌は、ミュータンス菌とソブリヌス菌という悪玉菌があります。菅井教授は、病菌酵素を研究する過程でその虫歯の元となるミュータンス菌から、虫歯の原因菌だけを選択的に攻撃して除菌する酵素「Aml」を発見し、まったく新しい虫歯の予防法・治療法を確立しようとしています。
Amlの特徴は、他の細菌に一切危害を加えずに、虫歯の原因菌にだけ攻撃するという特殊性であります。この性質を利用して、歯磨き剤、うがい薬の中に入れたり、あるいは歯に直接塗布する形で、用いることが可能であると考えていて、実際に昨年の6月に世界十カ国で歯磨き粉やガムに混入して虫歯予防補助剤としての商品化につなげるために特許を申請したそうです。
口腔内の常在細菌環境を保ったまま虫歯菌だけに作用するということで、商品化されれば大きな市場となりそうです。しかし、商品化されるのは、まだまだ先の事です。今はまずきちんとした方法で歯磨きを行うことが大切ですね。
虫歯菌を親から移さないために
生まれたての赤ちゃんには、虫歯の原因菌は存在しません。赤ちゃんが虫歯菌に感染するのは、ほとんどが大人と同じスプーンなどを使った際の口移しで唾液も一緒に移っていった事が原因とされています。研究では、虫歯になりにくい歯になるかどかは、口腔内の菌のバランスが3歳までに決まるので、大人からの口移しでの食事やキスなどを行わず、虫歯になりやすいあめやチョコレートなどのお菓子などをいっさい与えなければ虫歯にならない・なりにくい歯になると云われています。けれど、今の社会でそこまで徹底するのも難しいものです。しかも、大人が与える菌はいい菌もいるからです。
そこで今もっとも効果的であると考えられているのが、〝キシリトールガム″を利用した虫歯予防法です。
岡山大大学院の仲井雪絵助手(歯科医師)らが突き止めた研究成果によると、妊娠中から出産後にかけて、虫歯菌(ミュータンス菌)や歯垢を減らす作用がある天然甘味料「キシリトール」を摂取すると、産まれてくる子どもの虫歯菌感染が抑えられることがわかりました。
実際実験で効果があった妊婦のキシリトールガムの摂取方法は、妊娠6か月目から出産後9か月目にかけて毎日食後や就寝前に4回以上キシリトール入りのガムを5分間噛むというものでした。この方法を続けてもらった妊婦とガムを噛まなかった妊婦とでは、噛まなかった妊婦から生まれた赤ちゃんの虫歯菌の感染率より噛んだ妊婦から生まれた赤ちゃんの感染率は半分以下という結果になったということです。「出産前後の母親の口腔状態を改善することが、子どもの虫歯を予防する一つの手段になる」と仲井助手も話しています。
虫歯菌に感染するのが遅ければ遅いほど、虫歯になりにくくなるとされているので、母親自身がキシリトールガムを食べるだけでなく、周囲の人も自分の虫歯予防も合わせて、上手にキシリトールガムを摂取する事で、子供の予防にもなるというのは、努力しがいがありますよね。
キシリトール入りのガムは妊婦だけでなく、子供から大人まで毎日の習慣として、食後、就寝前に摂取することで歯の再石灰化を促進し、虫歯予防になります。今からでも毎日の習慣としてはじめてみてはいかがでしょうか。
簡単節約生活
花粉の飛び交う季節。花粉症の方は、外に出るのも大変だし、部屋では空気清浄機をまわしていないとダメという気分のめいる季節でもありますよね。快適になるとはいえ、空気清浄機をずっとつけているのは電気代の高い今の時期、気になるものです。
そこで、今回は電気代不要で気分もリフレッシュさせてくれるエコな空気清浄装置にスポットをあててみたいと思います。節約しつつも楽しい生活を送りたいあなたに必要なのは日光と少しの愛情、そして観葉植物です。
植物が光合成しているのは、小学校でも習いましたが、NASAの研究によって、空気清浄効果の高い観葉植物ベスト5がこのほど発表されました。観葉植物は、種類によって空気中の有害物質を分解する能力に差があるようなので、すべての植物がいいというわけではありません。
またアイビーのように高い空気洗浄効果があるものの、有毒なので小さい子供がいる部屋に置くのはオススメできない植物もありますが、光合成によって部屋の二酸化炭素を減らし、酸素を供給してくれるほか、葉や植木鉢の土からの加湿効果もあります。しかも、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着・分解してシックハウス症候群を防ぐ効果も期待できるとのことで、花粉のせいで換気もままならないこの季節、リビングや寝室などに置いてみてはどうでしょうか。緑が部屋にあることで憂鬱な気分も解消され、電気代にも貢献できるのでは?
そうだ、旅へでよう 韓国チェジュ島への旅
一番日本に近い外国。たった1時間の飛行機の旅が連れて行ってくれる場所。多くの韓流スターが日本のメディアを賑わせている最近では、とくに身近な国のように感じられます。そんな韓国へ旅行に行かれた方も多いのではないでしょうか。週末の短い休みでも行ける外国として、何度も足を運んでいる方もいるのではないでしょうか。しかし、そんな韓国とはいえ、ソウルやプサンといった大都市で韓国料理や買い物、エステを楽しまれることがメインとなって、あまり他の都市を訪れることが少ないのも事実のようです。
でも、よく行く韓国でも少し足を伸ばすと、また別の韓国が見えてきます。今回は、韓国人にとってもリゾートであるチェジュ島(済州島)です。韓国の最南端にあり、韓国内では「東洋のハワイ」と呼ばれる最も暖かく温暖な島です。
韓国本土と同様にさまざまな美味しいものがチェジュ島にもあります。日本でもおなじみになった焼肉やキムチもさまざまなものが楽しめますが、チェジュ島といえば、海鮮料理です。とくに日本よりも安く食べられるあわび料理はチェジュ島の郷土料理でもあり、一度行ったら食べて欲しいものの一つです。とくにあわび粥(チョンボッチュク)は韓王朝時代に王様が朝食に食べていたほど、栄養価が高く、昔からチェジュ島で食べられてきたものです。島内でもお粥専門店だけでなく、刺身専門店や日本料理屋でも食べることができます。
また、辛いものが苦手な方でも韓国料理を楽しんでもらえるのが、刺身とうどんです。刺身専門店は、西帰浦(ソギポ)毎日市場の周辺など各所にあり、味もボリュームも満足できる刺身が食べられます。また、日本と違って、刺身を頼めば、キムチや味噌汁だけなく数種類の付けだしも出てくるので、注文しすぎて食べきれないなんて事にも気をつけなければなりません。
韓国のうどんは、日本のように出汁の効いたあっさりした味付けで、焼肉などで酷使した胃を癒すにも最適です。
さまざまな韓国料理も楽しみの一つですが、チェジュ島での楽しみはそれだけではありません。チェジュ島の済州火山島と溶岩洞窟は2007年に世界遺産に韓国で初めて登録されました。海岸沿いの奇岩怪石にはじまり、韓国最高峰の漢拏山(ハンラサン)と巨大な噴火噴火口があり、日の出の絶景で有名な城山日出峰、拒文岳の溶岩洞窟など貴重な植物と景観の宝庫で、自然を堪能できる場所でもあります。
そして、そんな大自然と昔ながらの韓国が多く存在するため、韓国ではよくドラマや映画のロケ地となることも多く、私の好きな「宮廷女官チャングムの誓い」もここで多く撮影されています。ぺ・ヨンジュン好きな人には「太王四神記」のオープンセットや公式グッズを売っているお店もあり、雄大な自然を満喫しつつ、島に点在するさまざまなロケ地を巡るのもまた楽しいのではないでしょうか。
空港近くには、ロッテマートや東門市場などがあり、今通販などで流行っている韓国化粧品のBBクリームなど価格も良心的でいて質のいい化粧品が買えます。円高の今、韓国での買い物がますます楽しくなりますね。