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埼玉インプラント研究会
加藤歯科の活動

第45回 公益社団法人 日本口腔インプラント学会学術大会に参加して

9月のシルバーウイーク、観光地は連休モードでにぎわう中私は、岡山で行われました、第45回 公益社団法人 日本口腔インプラント学会学術大会に参加して参りました。現在、日本口腔インプラント学会は会員数が12,000名と日本で一番大きな歯科医学会となりました。

初日9月21日は日本口腔インプラント学会の、専門医教育講座です。午後4時半からの開催で、日本口腔インプラント学会の専門医は基本、受講しないといけません。
岡山大学歯学部長、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科教授の窪木 拓男先生のお話でした。

講義の題名は、
「超高齢社会における口腔インプラント学会専門医の責務とは-最期まで患者に寄り添うために-」

非常に興味のあるお話、そして重いお話でした。私も、もう開業して20年。我が医院に通院されていた患者さんのうち、何人かは既に故人になられています。また、かくしゃくとしていた患者さんが車イスで来院されたり。ご家族から、ホームに入居した、とか連絡を受けることも。
治療することばかり考えてきましたが。自分自身もそれとなく、老化を感じ始めた今日この頃です。そんな私に、この窪木先生のお話は、心に突き刺さりました。一部を、ご紹介させていただきます。

 「日本は超高齢社会に突入した。歯の欠損が年齢とともに増加することを考えると、口腔インプラント治療を受ける高齢者は必然的に増加することは間違いない。事実、2011年の歯科疾患実態調査によれば、65歳以上の国民の3.1%に口腔インプラント治療が施されているという。」

この3%を多いと見るか、少ないと見るか。お隣の韓国では20%と聞いたことがあります。ただ、日本でも、今後はこの割合が増えて行くことでしょう。

 「過去約10年間に我々の診療科で口腔インプラント治療を行った患者の数を、年齢を横軸にグラフに表すと、60歳代をピークとした正規分布となる。」

時間の経過とともに、この年代ピークが70歳、80歳とずれていくと、窪木先生は述べられていました。
インプラントの予後を左右する重要な因子に、口腔内清掃があげられます。しかし、いわゆる寝たきりになった時や、麻痺がある状態では、自分で完全に口腔内を綺麗にすることはできません。しかも、インプラントは、天然歯列よりシビアな口腔清掃が求められます。

「“介護現場にインプラント患者が多数存在するとは思えない”と言われる会員が多数おられる。しかし、口腔インプラント治療を受けた60歳代の患者のピークは、10年後には70歳代に、20年後には80歳代になるのである。」

「まだそれほど多くはないが、インプラント患者を介護現場に迎えた介護支援者の反応はすでに不安に満ちている。

  1. インプラントの人工歯根が感染源になり易くなる。
  2. 脳梗塞や認知症、パーキンソン病などの患者において、咀嚼筋の拘縮などによりインプラント義歯を簡単に撤去できなくなる場合がある。
  3. 口腔内にインプラントがあるかどうかを判断し、必要があれば、それを撤去したり、生活しやすい形に改変したりしてくれる歯科医師が介護現場に少ない。」

身につまされるお話でした。
治療することばかりに心血を注いできましたが、今後は、どう、患者さんの人生に向かい合っていくのか。避けては通れない。逃げることもできないなと覚悟を決めました。

一方でまた、インプラントの利点も。
すれ違い咬合や、顎体が非常に吸収してしまった義歯に組み込まれる、維持装置としてのインプラントが、劇的な咬合の改善を起こすこともまた事実であると。

「インプラント義歯に特異的なものもあれば、インプラント義歯に限らない固定性補綴物全般に当てはまるものもある。本発表においては、口腔インプラント義歯を患者に施す専門医が、最後まで責任をもって患者の人生に貢献するためには、どのような知識や技をもって対応すべきかを前向きに考えて見たい。なぜならば、このような対応が患者や介護者、さらには歯科医療自体を救うかもしれないと考えるからである。」

食べられない、とゆうことになると、健康状態が急激に悪化してゆきます。経口摂取が出来なくなると、流動食、経菅栄養、胃ろうなどになって行きます。そなると、身体を作っていく重要な栄養素である、たんぱく質の割合が減少してゆく。それが更なる悪化を生んでいく悪循環になります。
口から食べる、食べてもらうことがどれだけ、健康・幸福でいられる期間を延ばすか。
それはまた、介護現場での負担の軽減につながり、介護資源の有効利用にも関係してきます。聖路加看護大学の日野原総長がおっしゃっていた、「ピンピン。コロリ」との標語を思い出しました。

翌日の22日は、一日学会の会場をうろつきました。いろんな機材歯科材料の展示を行う企業ブースもありました。
そして、夜は一緒に参加していた埼玉インプラント研究会の先生方との懇親会です。路面電車、夜も走り回っています(当たり前)。
時間があったので、付近を散策。商店街がちょっと静かなのが残念。
料理を堪能しました。「獺祭」も頂きました。
とても美味しかったです。

23日は、私もケースレポートを発表。鋭い質問を浴びて、たじたじになりながらも、無事終了です。
帰りの新幹線、車中より富士山の写真を撮ることが出来ました。

実りの多い、学会参加でした。
来年の2月13日(土)・14日(日)、第35回日本口腔インプラント学会・関東甲信越支部学術大会が、東京の京王プラザホテルで開かれます。
日本口腔インプラント学会学術大会、来年は名古屋です。

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